大腸がん検診の内容について
集団検診で行われる大腸がん検診には、どのような意義があるのでしょう。
この検診の目的は、まだ症状が出ていない初期段階の大腸がんや、がんが疑われる人を発見することです。
なるべく早い時期にがんを発見することで、完治する可能性も格段に高くなるからです。
一般的な検診では、まず便潜血検査が行われます。
これはとても簡単で、なおかつ有効な検査方法だとされています。
便が排出される際には、大腸の中のポリープなどと接触して出てきますから、目に見えない量かもしれませんがわずかな出血があります。
便潜血検査は、その出血があるかどうかを便から調べるのです。
また、大腸がんは、他のがんよりも比較的治し易いがんだと言われています。
早期発見し、すぐに適切な治療を施せば、良好な経過をたどることが多いです。
大腸がんと診断されてから5年後の生存率は、じつに90パーセント以上というデータもあるほどです。
ポリープの中に早期のがん細胞が見つかったという場合は、内視鏡治療による切除という簡単な手術法で完治するケースもあります。
また、最近では、体に小さな穴を開け、そこから器具を入れて幹部を切除する腹腔鏡手術も行われています。これならメスを入れる必要もありません。いずれも、早期段階の場合にのみ可能な方法ですので、検診で早めに発見することが重要です。
では、大腸がん検診を受ける際には、どのような心得が必要でしょうか。
まず、今までにかかった病気や家族に大腸がんの人がいるかどうかなどの情報を、事前に確認しておくとよいでしょう。また、生理の時や痔で出血がある時は、その血液によって便潜血検査が陽性になることもありますので留意してください。