大腸がんの早期がんと進行がん
大腸がんでも、がん細胞の進み具合によって、進行がん、早期がんなどと呼び名が違うことがあります。
詳しくいうと、これらにはどのような違いがあるのでしょう。
胃や十二指腸、小腸などの消化管の仕事は、摂取した食物を消化し、それを肛門まで送ることです。
そのために常に運動し続けています。
腸壁の中の筋肉が連なり、それぞれ収縮したり、弛緩したりの動きを繰り返すことによって消化するのです。
消化管に発生するがんは、この運動している腸壁の内面に起こることがほとんどです。
粘膜層と呼ばれる膜の部分にがんが発生しやすいのです。
では、粘膜層のがんが進むと、どのようになっていくのでしょう。
がんは放射状に進行して行き、それと同時に、粘膜層の奥深くまで成長します。
その深さは深達度という言い方で表わされます。
それでは、まず「早期がん」についてお話しましょう。
大腸がんの早期がんとは、がん細胞が粘膜下層で止まっている状態のものです。
がん細胞が粘膜下層のごく浅い部分で止まっている状態なら、他に転移している危険性はほとんどありません。その段階なら、内視鏡で切除する手術が可能です。
しかし、必ずしもすべての早期がんが手術で完治するわけではありません。
その進み具合によっては、たとえ早期がんでも手術できないことあるのです。
また、患者が高齢だったり、または何らかの合併症を煩っていたりとケースは様々です。
ですから、早期がんだと診断されても安心しすぎるのは禁物です。
いずれにしろ、今後の治療法をしっかりと話し合う必要があります。