大腸がんの転移
他のがんと同様で、大腸がんも発生した臓器にとどまらず、その周辺臓器に拡大していくことがあります。
こうした状態をがん細胞の転移と呼んでいます。
大腸がんの場合も他のがんと同じく転移するケースが多いです。
リンパ節や肝臓に転移するほどの高確率ではありませんが、大腸がんは肺に転移しやすいといえます。
大腸がんが、肺に転移するまで進行している状態だとすると、がんの進み具合でいえば「ステージ4期」ということになります。
この場合、すでに末期症状である可能性も考えられます。
ですから、治療しなければ余命が長くないケースも多いでしょう。
また、治療をしたとしても、かならず余命が伸びるという保障はありません。
とはいえ、末期の大腸がんでも、がん細胞の切除手術をするケースはあります。
ただし、すでにガン細胞が他に転移してしまっている場合、切除といっても限定されることが多いです。
大腸がんが肺に転移した場合、一般的に選択されるのは抗がん剤を使った治療です。
抗がん剤などの化学療法を用いる治療は、当然、患者の体全体に影響を及ぼすことになります。
これが明らかに切除手術と異なる点です。
外科手術は、対象となる特定部分だけに効果がありますから、化学療法とは対照的に局所療法とよばれます。
手術と違い、抗がん剤などの化学療法は全身に効果がありますから、もしがん細胞が他の部分に広がっていても、それぞれに効果が期待できます。